円谷プロが中国の”無許可ウルトラマン”巡る裁判に勝訴

ウルトラマンシリーズで長年の実績を誇る「映像制作会社・円谷プロ」が、
同社のキャラクターであるウルトラマンを許諾なしに登場させた中国の映画を巡る上海市での訴訟(第一審に相当)に、
勝訴したと発表しました。

 

問題となっているのは2017年7月10日の「ウルトラマンの日」に中国のイベントで発表された、
CGアニメ映画「ドラゴンフォース~さようならウルトラマン~(原題:鋼鐵飛龍之再見奧特曼)」です。
この日、同作のトレーラー映像が発表されました。

「ドラゴンフォース」は、「時空警察ヴェッカー」シリーズなどを手掛け、
中国でも活躍する日本のクリエイター・畑澤和也さんが総監督原案を担当した3DCG映画で、2013年には日本でも作品が公開されました。

「ドラゴンフォース~さようならウルトラマン~(原題:鋼鐵飛龍之再見奧特曼)」はその映画の第二作目にあたり、
フルCGで表現されたウルトラマンがゲスト出演・活躍する様子が描かれています。

当時のイベントやトレーラーにてウルトラマンのゲスト出演が告知されましたが、
円谷プロはこの件に一切関与しておらず、許諾や監修等も実施していませんでした。

問題を指摘されながらも、同年10月1日にドラゴンフォースが強行公開されたことを受けて、円谷プロは法的措置を明言し、
ドラゴンフォースの制作会社「広州藍弧文化伝播有限公司(ブルーアーク)」等を相手に、
著作権侵害行為の停止(同作の公開・放送・配信や関連する商業活動などの停止・破棄)や、損害賠償請求を求めて提訴しました。

そして2020年6月30日に、
「ただちに本件著作権侵害行為を停止すること」
「原告にもたらした悪影響を払拭するため、(裁判所の審査を経た)声明を発すること」
「原告に対し、経済損失を賠償すること」との判決がおりたのです。

 

被告は「ドラゴンフォースはユーエム(※)の正規許諾を受けて制作した」と主張していましたが、
裁判所は「ユーエムが持つウルトラマンシリーズの利用権が仮に正当なものであったとしても、
その権利範囲に『キャラクター(または一定の改変を加えたキャラクター)を用いた映画の撮影』は含まれていない」と認定。
円谷プロの権利を侵害していると判断しました。

 

(※)ユーエム
タイのエンターティメントやイベント企画などを手掛ける会社。
ユーエムの代表が、円谷英二氏の息子である故・円谷皐(のぼる)氏から
「ウルトラQからウルトラマンタロウまでのシリーズの海外利用権を譲渡するという契約書を1976年にもらった」と主張しており、
海外での権利利用について1997年から円谷プロダクションと長きに渡り、さまざまな国で争っています。

円谷プロは「著作権法の基本原則に従って下された判決であり、当然の結果である」とコメントしています。

海外での著作権利用が複雑化していることが背景となった事件です。
事件が海外にも広がると管理は一層、複雑となります。
中国に限らず、円谷プロのウルトラマンの戦いはこれからも世界各地で起きていく可能性があります。

今回の判例が、守られるべき権利が正当に守られる基準となっていくと良いですね。

 

◆参考サイト

円谷プロ、中国の“無許可ウルトラマン”巡る裁判に勝訴
https://news.yahoo.co.jp/articles/9bf8b2b36b48ab37299b385884db2d19d5fa8161(参照 2020-08-24)

 

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