【アンケート結果】日本電子出版協会が電子出版の実態調査を実施

一般社団法人日本電子出版協会(JEPA  ジェパ)の著作権委員会が、書面等の方法による実態調査を実施しました。

電子出版に力を入れる出版社・コンテンツホルダーに対した調査で、調査期間は2019年12月~2020年2月。
社名等を非公表とすることを条件とした8社からの回答を基としています。

以下、JEPAのプレスリリースより一部抜粋してご紹介します。


◆アンケート項目とキーワード 

・電子版の価格の比率
・電子書籍化の契約
・権利者(著作権継承者など)不明の著作物
・電子書籍と「印税」
・書誌データの標準化・一元化

 

◆ 基本的な出版活動 

 Q:紙の書籍・雑誌とその電子版の価格の比率は
 A:紙の出版物の7~9割の価格設定をしているという回答が大半だが、読者が電子版を手に取りやすいよう配慮している様子。

 Q:電子書籍・雑誌の紙版に対する売上の比率は
 A:「電子書籍が1割程度」を占めるという会社もあれば「1,000分の1程度」といった回答もあり。

売上の計上方法の差異を考慮しても、電子出版をビジネスの根幹に据えるにはまだ難しい現状が伺われた。

 

◆ 権利者(著作権継承者など)不明の著作物 

 Q:著作権者から著作権譲渡を受けて書籍・雑誌の電子化の難易度は
 A:複数の著作権者がいる場合、仮に一人でも許諾がとれないと電子化が難しくなるとの回答が複数あり。

 文化庁への裁定申請を利用することで権利者(著作権継承者など)不明の著作物を利用するにしても、
 申請や許諾の手間や費用は出版物の電子化の課題であるという回答もあった。

出版物電子化の裁定申請に対する手間とコストでは、
過去に刊行された書籍・雑誌の電子化でのハードルは高くなっているとの、現行の著作権許諾申請に歯がゆさをもつ回答もあった。

 

◆ 電子化するタイトルを決める基準 

 Q:電子化するタイトルを決める基準はあるか
 A:「新刊を優先的に電子化している」に次いで
     「権利処理に手間のかからない本を優先的に電子化している」という回答が多くあった。

 

◆ 電子書籍の「印税」 

 Q:電子出版の印税契約は
 A:各社とも電子出版の契約では「紙の書籍・雑誌の印税とは切り分けて、新たに設定した対価を支払っている」でほぼ一致していた。
   その支払サイクルに関しては「一年ごと」「四半期ごと」など様々であった。
  「売上が一定額に達するまで支払を留保する」といった回答も多かった。

電子出版物の支払額では1コンテンツあたり数十円といった場合も少なくないので、 
出版物は電子化すればいいというものでもないという意見もあった。

 

◆ 電子出版のこれから先

著作権法の改正に際して、各社から電子出版に対し期待をにじませる回答は多く挙げられていた。
出版業界が取り組むべき課題として「書誌データの標準化・一元化」によるインフラ環境の整備を進めることに
電子出版の飛躍と伸張を期待するという点では各社一致していた。

 


 

電子出版への変化に積極的に対応する出版社・コンテンツホルダーの
奮闘と、困惑を感じる調査結果となりました。

著作者の著作許諾に関しても、電子化へのハードルになっている部分はやはり大きそうです。

すべてがクリアになり、トラブルのない仕組みができるまで
まだ各委員会・各社の議論は必要となりそうですね。

 

◆参考サイト

JEPA著作権委員会、電子出版の実態調査を実施
https://www.jepa.or.jp/pressrelease/20200707/(参照 2020-08-12)

 

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