問題17

ベンチャー企業であるX社は、事業資金を調達するために、自社が著作権を有するコンピュータゲームに質権を設定した。以下は、X社の法務担当者が、その著作物について述べたものである。正しい発言をしている者は誰か。なお、質権の設定行為には別段の定めはないものとする。

 

Aさん 「質権者と共同でなければ、当社は著作権に基づく差止請求権を行使できないね。」

Bさん 「このコンピュータゲームをベースにしたアニメを製作するには、質権者の了解が必要だよね。」

Cさん 「著作権の許諾料を質権者に差し押さえられることは絶対にあり得ないね。」

Dさん 「このコンピュータゲームのアメリカにおける複製権・譲渡権の許諾を与えるのに、質権者に了解を取る必要は

     ないね。」

 

ア Aさん

イ Bさん

ウ Cさん

エ Dさん

答え :「  エ  」

解説

Aさん

誤り。

X社が有するコンピュータゲームの「著作権」に他人のため質権が設定されても、依然として著作権者はX社であり、質権設定契約に別段の定めがない限り、著作権を行使できるのはX社です。したがって、コンピュータゲームの著作権を侵害する者に対する差止請求権も、X社のみで行使することができます。

 

Bさん

誤り。

ア肢解説の通り、コンピュータゲームの著作権者はX社ですから、X社は、単独で第三者に当該コンピュータゲームをベースにしたアニメ(二次的著作物)を製作させることができ、質権者の了解は必要ありません。

 

Cさん

誤り。

質権は、銀行等の債権者(質権者)が、X社に対する貸金債権の担保のために設定するもので、もしX社に債務不履行があるときは、「質権者」は、当該コンピュータゲームの著作権譲渡に伴う対価や、X社が第三者から受けるべき当該コンピュータゲームの利用許諾料を差し押さえて、自らの債権回収に充てることができます。

 

Dさん

正しい。

ア肢解説の通り、著作権者はX社ですから、X社は、単独で第三者に当該コンピュータゲームの複製や譲渡(販売)について許諾を与えることができ、質権者の了解を取る必要はありません。

 

解説

解説

解説

解説

以上により、正しい発言をしている者はDさんであり、エが正解となります。

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