教育・研究機関

【1】 教材や成果物の中で、「何が著作物なのか」を把握しましょう!

学校をはじめ教育・研究機関においては、テキスト・論文や実験データなど、日々、様々な教材や成果物が生み出されています。これらのうち、「著作権」が発生する(著作権法で保護される)「著作物」に該当するものとしては、以下のものが挙げられます。

(教育・研究機関における著作物の例)

言語の著作物 詩、作文、日記、レポート、論文(注1)、教科書、問題集、説明書、講義、講演など
美術の著作物 絵(イラスト)、下絵、デザイン画、版画、彫刻、人形(鑑賞用)など
図形の著作物 設計図、フローチャート、解説(説明)図(注1)、再現模型など
映画の著作物 自主制作映画、アニメーション、記録映像、実験映像など(注2)
写真の著作物 スナップ写真、記録写真、デジタル画像など(注2)
プログラムの著作物 コンピュータソフト、コンピュータシステムなど ※それらのソースコード
編集著作物 文集、論文、教科書、問題集、パンフレット・カタログ、ホームページなど
データベースの著作物 「パソコン検索用」に情報が選択され、又は独自の検索方法を有するデータベース
(注1) 誰が計算や集計をしても同様となる「数値データ」や、円グラフなどの「ありふれた図形」は、著作物とはなりません。
(注2) 定点カメラの映像や証明写真など、自動撮影されたものは、原則として著作物とはなりません。

なお、著作物ではないため「著作権」は発生しない(著作権法では保護されない)場合でも、「特許法(発明やアイデア)」、「意匠法(製品デザイン)」、「商標法(名称やマーク)」、といった他の知的財産法や「不正競争防止法(営業秘密)」など、他の法律による保護対象となる可能性があります。

【2】 「著作者」や「著作権者」が誰なのか?を把握しましょう!

上記の著作物を創作するのは、「生徒(学生)・先生」や「研究者・従業員」ですが、そうした「個人」が著作者かつ著作権者となる場合と、「教育・研究機関(法人)」が著作者かつ著作権者となる場合があります。また、上記の著作物の創作を「外注」した場合には、実際に創作した「外注先」が、著作者かつ著作権者となります。
なお、財産権である「著作権」は譲渡や相続の対象となるため、著作者は「最初の著作権者」であるものの、その後、「著作者」と「著作権者」が別人となることがあります。

(著作者かつ著作権者となる者)

ケース1 「生徒(学生)」が創作した著作物の著作者かつ著作権者は、その「生徒(個人)」である。
ケース2 法人に所属するか否かにかかわらず、先生や研究者が、自己の名義で創作・公表した著作物の著作者かつ著作権者は、その「先生や研究者」である。
ケース3 法人に所属する先生、研究者又は従業員が、その法人の業務の一環として職務上作成し、その法人名義で公表される著作物の著作者かつ著作権者は、契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その「法人」である(注)。➝職務著作となる。
ケース4 法人(A)が、著作物の創作を外部のB(個人・法人)に外注(委託)したときは、その著作物の著作者かつ著作権者は「B」である。
(注) 著作権法上は、会社に限らず、代表者又は管理者の定めがあるあらゆる団体が「法人」とされます。また、「プログラムの著作物」については、「法人名義での公表」は職務著作となる上での要件となりません。

このように、職務著作として「法人」が(当然に)著作者かつ著作権者となるのは、「ケース3」に該当する場合のみです。
したがって、その他のケースにおいて、法人が著作物を自ら利用し、又は第三者に著作物を利用させるには、各ケースにおける著作権者から「著作権の譲渡」を受けて「著作権者」という地位を取得するか、又は、各ケースにおける著作権者から、第三者に利用させる点も含め「著作物の利用許諾」を受ける必要があります。