【3分で読める!】<無料講座>YouTuberのための著作権(第3講)

「YouTuberに関係する著作者人格権とは?」

1.著作者人格権とは?

 動画や写真、音楽など著作物を創作した著作者には、著作権のほか「著作者人格権も自動的に発生」します。

 著作権が「他人に著作物の利用を許諾し、対価を得ることができる」という財産権であるのに対して、著作者人格権とは「著作物に対する人格的・精神的な権利」です。

 具体的に著作権法には、著作者人格権として「公表権、氏名表示権、同一性保持権」という3つの権利が規定されています。

公表権 著作物を公表するか否か、また、公表する場合には、いつ、どのように公表するのかを決定することができる。
氏名表示権 著作物に著作者名として実名(本名)又は変名(ペンネームや芸名など)のどちらを表示するか、又は何も表示しないこと(匿名とすること)を決定することができる。
同一性保持権 著作物の内容及び題号(タイトル)に対する同一性を保持し、他人による改変や削除を受けない。

 公表とは、具体的に「10人以上の人に見せたり、インターネット上で公開すること」を意味します。

 したがって、個人的に(未公表の状態で)提供を受けた手紙、写真やサンプル動画といった他人の著作物を、「面白い」、「感動した」という理由(独断)で、インターネット上で公開することはできません(個人のプライバシーや肖像権の侵害ともなり得ます)。

 氏名表示権は、他人の著作物を利用する場合に特に問題となり、改めて本人に確認する必要はありませんが、すでに表示されている氏名を(そのまま)表示しなければなりません。

 したがって、文章や動画など「他人(A)の著作物を、自己(B)の著作物と偽ってインターネット上で公開する行為」は、複製権や公衆送信権といった著作権に加え、氏名表示権の侵害ともなります。

 同一性保持権は、「著作物を勝手に改変されたくない」という、著作者が最も重視するであろう権利です。

 例えば、著作者から許諾を受けて利用する場合や、フリー素材(自由に使用できる著作物)を利用する場合でも、技術的にやむを得ないときを除き、その著作物を勝手に改変(加工)することはできません。

 なお、文章や動画など「他人(A)の著作物の一部のみを改変して自己(B)の著作物と偽ってインターネット上に公開する行為」は、前述した複製権や公衆送信権、氏名表示権のほか、同一性保持権の侵害ともなります。

 

2.著作者人格権は、「著作者のみ」の権利

 著作者人格権は、著作者の一身専属権とされ、著作者のみに認められます。

例えば、著作者(A)が、その著作物(X)に対する著作権の全部を他人(B)に譲渡(移転)しても、著作者人格権は著作者(A)に留保されます。

 したがって、他人(C)が著作物(X)を一部改変して利用しようとするときは、Bのほか、Aの許諾も必要となります。

 なお、著作権を譲渡する際の「著作権譲渡契約」では、通常、「著作権は、当契約によりAからBに移転する」という条項に加え、「著作権譲渡後は、Aは、著作者人格権を行使しない」という「不行使特約」がセットでなされます(この特約は「有効」とされています)。

しかし、著作者人格権がBに移転するという意味ではありませんから、Aとしては、「なぜ不行使特約が必要なのか」をBに確認し、また、Bにおいても、「どのような利用方法を検討しているのか」をAにしっかり説明することが大切です。(塩島)

 

※次回は、「YouTuberに関係する著作権」について講義します。